成形の功徳(修身教授録180頁より)

「成形の功徳」とは物事は形にまとめることによって初めて真の効果が生じるということです。

 

昭和12年頃、天王寺師範の専攻科学生約80人がスラム街の真ん中にある学校に授業参観に行かれました。尊徳研究造家の深い校長先生の信念によって素晴らしい学校経営がされていたそうです。

参観をさせていただいた御礼に、感想文を送ることになりました。当初、紙の大きさだけの指定でしたが、最終的には毛筆・和紙・和綴じ(本職による製本)に統一したそうです。
ペン字で書いた生徒には、再度毛筆での書き直しを依頼したそうです。

なぜそこまでするのか? バラバラのままではもらった方は始末に困る、いつか屑籠に入るかもしれません。
製本していれば、ご覧いただくに便利であり保存にも便利です。

さらに、素人が製本するより、本職が製本する方がよい。

いただいた校長先生は家宝のように大切にするでしょう。

「つまり同じ形を与えるにしても、そこにいかなる形を与えるかによって内容は同じでもその働きの上に相違があるわけです。」

家系図についても、再認識しました。

「コピー用紙の家系図」よりも「和紙和綴じ製本家系図」にする方が、後日見る子孫のためにも有益なことであると。

 

更新:2022年06月18日