和綴じの表紙 紀州茶松葉霞文様
茶色と緑が混ざった地色は、紀州の殿様が愛した紀州茶の色に似ているため、「紀州茶」とも呼ばれています。
この地色に霞と松葉が配置された文様は、非常に渋く落ち着いた印象を与えます。
さらに、この文様は砂浜に千鳥が足跡を残した様子にも似ていることから、「砂州千鳥(さすちどり)文様」とも呼ばれています。
このような名前が付けられたのは、その模様がまるで砂州に小さな鳥たちが歩いた後の足跡のように見えるからです。
この渋い文様は、地味でありながら品格と落ち着きを兼ね備えており、古くから茶人たちに愛されてきました。茶の湯の世界では、その控えめで洗練された美しさが評価されてきたのです。
また、この色は「銀煤竹(ぎんすすたけ)色」とも呼ばれ、その独特の風合いが多くの人々に親しまれてきました。
紀州茶の色合いは、単なる色彩以上のものを表現しており、歴史や文化、そして風雅な精神を象徴しています。
そのため、この緞子(どんす)は茶の湯の席だけでなく、多くの日本文化の場面で重宝されてきました。
時を超えて受け継がれてきたこの美しい文様は、今もなお多くの人々に愛され続けています。
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更新:2024年03月27日